自作ボート・Spindrift 10n 製作記

スイスの湖に自作ボートを浮かべるまでの記録

ボートを作りたい

きっかけ

私は何かの縁でスイスの首都、ベルンに住んでいます。

 

スイスは海こそ無いものの、アルプスの氷河から流れ出た綺麗な湖と川に囲まれた水の国。特にベルンでは、上流の Thun から2~3時間かけてアーレ川を川下りする "Aareböötle" が夏の風物詩で、老若男女が水着で川遊びを楽しみます。普通はゴムボートで下るのですが、これを膨らませるのがなかなかの手間で、普通のボート欲しいなと思ったのがすべての始まりでした。

 

そもそも私は船が好きで、子供の頃は竹の筏を作ったり、角材とベニヤ板で船を作ろうとして頓挫したり、学生時代にはファルトボート買ってみたり、色々遊んできました。現在の身分は不安定で、いつ海外移住になるかわからない為に躊躇していたのですが、人生思い立った時に行動しないと結局何もできないですよね。今後仮に身分が安定しても、次はやれ子供ができた、部屋が狭い、など言い訳が先に立つのは目に見えています。そこで部屋がある程度のスペースがあり、半地階で裏庭にアクセスできる今、ボート作りを始めることにしました。

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宮城県荒雄川に浮かぶファルト。もう十年も昔のことなんて。。

 

欲しいボート

特にヨットにはこだわらず、動力船でも構わない。しかし法律が面倒なので結局手漕ぎか帆船になりそうです。見た目にかっこよく、クラシカルなのがいい。理想は clcboats の Chester Yawl あたり。後述のスペース問題がなければおそらくキット買って作っていたでしょう。

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https://www.clcboats.com/shop/boats/rowboats/chester-yawl-row-boat-kit.html より引用

 

スペースの問題

スイスに永住する予定は今の所ないので、いずれは国外に転居することになります。仮に日本に戻るとすると、ボートも国際輸送しなければならない。4 m 超のボート、ヨットをヨーロッパから国際輸送する方法、結局私は見つけられませんでした。仮に2分割できる船体なら、パレットに積み込んで船便扱いで15万円程度で日本輸送できます。高いですが、ここで躊躇していたら一生ボートなんて作れない。腹をくくりました。

 

登録、免許の問題

スイスでは8馬力まで(だったかな)帆船なら15 m^2 の帆までは免許不要。しかし船の登録は必要です。仮に船体が2.5 m 以下だと、ビーチデバイス(浮き輪的な遊具)扱いになって船舶登録は不要。しかし沖合100 m 以遠は不可など制約がかかります。よって免許不要サイズで帆船、二分割艇を作ることにしました。

 

次回、船の選択に続きます。