自作ボート・Spindrift 10n 製作記

スイスの湖に自作ボートを浮かべるまでの記録

合板と木材のカット(マキタ hs301dz)

ジグソーとカーボン紙は鬼門

設計図を買った際、数メートルのロール紙に印刷された原寸大のパターンをオプション購入しました。最初はこれをカーボン紙で写し取り、ジグソーで切り抜いたのですが、これは失敗でした。

賃貸でDIYを始める時、最大の問題は騒音でしょう。私のジグソーは、買って電源を入れた途端にこれはまずいと直感する大音量です。Boschの安いモデルを買ったので変速機能が無いのも悪いのですが。

更にジグソーの利点の裏返しで、曲線が左右にブレ易く、ボートには不可欠の滑らかな曲線カットが難しいです。少し大きめにカットして鉋で削り込む方針にしました(このカットは後に丸ノコで切りなおすことに)付け加えると、カーボン紙の転写は線幅が広くなりやすく、また線をなぞるのも真上をトレースするのが難しいです。

 

丸ノコと画鋲+定規で綺麗なカットに

ジグソーの騒音に耐えかね(合計20分程度しか使っていませんが)たまらず丸ノコを購入。「マキタ hs301dz」、一番小さい85mm径のモデル、電圧12V(日本国内だと10.8V)で回転が1500 rpm の軽作業用です。この丸ノコ、レビューでは刃の回転が遅いのが低評価で、また小径ゆえに非力で直線が安定しないなど微妙です。しかし、これらの特徴が私の用途には大当たりでした。まず小型で低速ゆえにうるさくない。夜でなければぎりぎり室内で使えるレベルで、ジグソーに比べるとプリウスとハーレーくらいの差があります。また小径の刃は緩い曲線なら何とか切ることができ、その際にも低速非力ゆえにキックバックで指を落とす危険性が比較的少ないです。

 

www.makita.co.jp

 

まずは設計図を合板の上に置き、釘を数センチおきに線上に刺してマーキングします。次に各点を定規を使って直線で結びます。局所的に直線だろうと、大局的に見ると緩やかな曲線になるのがポイント。次に上記の小型丸ノコを使って、この緩やかな曲線に沿ってカット。丸ノコなので元から急激な曲線切りはできないのが幸いし、かなり滑らかな曲線でカットすることができます。(ただし丸ノコの曲線切りは本来危険な行為であり、これを推奨する意図はありません。本文は私が行った工作を記録するのが目的です。万一の怪我や事故の場合に当方は一切責任は取りません。)

ちなみに、この釘打ちをバテンという細長い棒でつなぐと、滑らかな曲線が書けます。釘の場所をパターンではなく座標で行う(基準線を書いて、縦に○m、横に○mに次の釘、というように)とロフテフィング(Lofting)という作業になり、これは本格的な外洋ヨットを作る場合にも基礎になる技術です。